歌唱時に感じる喉の渇きの対処法は!?ボイストレーニングQ&A 

唄う時に、喉が渇いた感じがする時、ありますよね。あれってどんなメカニズムでどんな対処法があるんだろう?ボイストレーニングの専門家、古川雄一先生が答えてくれました

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Q&A悩み解決コラム

質問⑧「歌を唄うとのどが渇いた感じがして声が出ない」

回答「古川雄一先生」


ラジオパーソナリティーの方やボーカリストの方からもレコーディングの際に「喉が渇いた感じで声が出づらい」と相談されることがありました。今回はその内容についてメカニズムも踏まえてお伝えいしていきます。

 
 
取材:なほ 

【気が付かないうちに「口呼吸」になっていませんか?】

歌を唄うと喉が乾いた感じがして、唄いづらくなる。こういった現象の原因として、「過度な口呼吸」が考えられます。過度な口呼吸を行うことで、外気が直接声帯に触れ、様々なデメリットが起こります。 

声帯の潤いが不足する

外気が直接声帯に触れることで、声帯が乾燥し潤いが不足してしまいます。

温度変化による声帯への負荷

外気温に近い空気が声帯を通ることで、声帯が急に冷やされ負荷がかかる

異物の混入を招く

口呼吸を行うことで、ホコリなどの異物を直接吸引してしまう。

このように、過度な口呼吸ではのどが渇いた感じになる要因の他、呼吸器官、発声器官にとって負荷のかかる要因も生むことになります。その対処法としておすすめしたいのが「鼻呼吸」です。鼻呼吸には様々なメリットがあります。鼻呼吸のメリットを説明するために鼻の中の構造から説明します。


【鼻呼吸で得られるメリット】

鼻の中の構造

鼻の中は、大きく分けて、鼻腔と副鼻腔(ふくびくう)から構成されています。鼻腔は血管が密集した粘膜で覆われており、鼻中隔(びちゅうかく)によって左右に分けられています。 左右にはそれぞれ、側壁から3つのひだ「甲介(こうかい)」が張り出しています。これを上から上鼻甲介、中鼻甲介、下鼻甲介と呼びます。この上中下の鼻甲介(びこうかい)と側壁の間の「空気の通り道」を上から順に上鼻道、中鼻道、 下鼻道とよびます。

鼻呼吸は喉に優しい

鼻は呼吸器官、発声器官にとって、とても有意義な機能を持っています。それは主に下記の3つです。 

加湿

鼻腔は血管が密集した粘膜で覆われており、粘膜の中には、鼻腺が存在し、そこからたえず微量の粘液が分泌されています。その粘液によって湿気が加えられます。その湿度は60%〜70%と言われています。

温度を保つ

鼻腔内の粘膜は血管が密集しており、そこに流れてくる血液によって鼻腔内の温度が保たれています。更にその鼻腔内にある上中下の鼻甲介がラジエーターの役割を行い、鼻道を通った空気の温度が体温に近い温度に上がります。これにより、空気が声帯を通る際に起こる、温度変化による声帯への不可を和らげてくれます。

異物混入を防ぐ

鼻腔の入り口には、鼻毛が生えていて、吸い込んだ空気の中の大きなごみを取り除くはたらきをしています。また鼻の入り口を通過した空気中の小さなごみや細菌などは、鼻腔内の粘膜の粘液に付着し、細かい毛(線毛)の働きよって、鼻腔の奥へ運ばれ、のどからたんとなって出されたり、食道を通って胃に入ります。

このようにして、鼻を通った空気は、適度に温められ、湿りけをもったきれいな空気となり、のどを通って肺に送られるのです。


【声をだす現場は空気が乾燥している事が多い】

僕の実体験で、ラジオの生放送時に、大きな口呼吸を数回行ってしまい、喉が乾燥してガラガラ声になったしまった経験がありました。レコーディングブースやラジオの放送ブースなど音楽・放送機材が沢山ある場所は、「機材の保護」「いい音を録る」等の理由から、空気の乾燥しているところが多いです。喉を乾燥から守るために、鼻呼吸をおすすめします。

【歌唱時は「鼻呼吸」「口呼吸」をバランス良く】

では息を吸う際は鼻呼吸だけで行えばいいのかというと、人によっては鼻だけで吸うのが負担に感じる人もいるはずです。そこで僕は指導する場合、鼻呼吸中心に、口を補助的に使うことを勧めています。これで自然に呼吸が行えれば、鼻呼吸6,7割、口呼吸3,4割の割合で効率よく呼吸ができ、歌唱にも対応した呼吸を行うことが出来ます。歌唱時、喉が渇いた感じがして声ができにくくなる方は、是非参考になさってください。

 

※鼻呼吸や鼻の構造、機能に関しての内容は、僕の主治医の耳鼻咽喉科の先生に確認したものを記載していますが、僕も人間ですので聞き間違い、捉え違いがあるかもしれません。僕は医者ではありませんので、医学的な正確さにかける部分がある可能性がある事を予めご了承ください。


放送後記byなほ
鼻呼吸には驚きの機能があったんですね!呼吸のしかた一つとっても、奥が深いんだなと痛感しました!古川先生ありがとうございます!

取材:なほ
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